2016年2月14日日曜日

No. 111:Royal North Devon Golf Club

初プレー日: 2014年9月7日
場所: Westward Ho!, Devon, England
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.royalnorthdevongolfclub.co.uk/



午前中にラウンドしたSaunton GCから車でわずか15分。ここに、我らゴルフ狂にとっては、ほぼ巡礼先と言ってもよいコースがあります。それが、Royal North Devon GCです。



Royal North Devonは、この写真にある通り、Englandで最も古いゴルフコースです。そして、このコースがある町の名前は「Westward Ho!」。町の正式名称に「!」が入っていることで有名です。しかし、England最古であることや、町の名前が珍しい、ということが巡礼の理由ではありません。



巡礼の理由は、このコースは全英OP5勝の大レジェンド、J.H.Taylorが育ったコースだからです。Taylorは、1900年前後に活躍し、Vardon、Braidとともに「三巨人」と言われた一人。Vardonはその技量とグリップ、Braidは引退後のコース設計で名前を残しましたが、Taylorは日本人から見ると、あまり知られていない。しかし、僕らのようないわゆる「労働者」がゴルフを楽しめるように尽力したのが、実はTaylorなのです。彼はプロゴルフ協会の設立に尽力し、ゴルフの底辺拡大のために、各クラブにビジター枠を作るように要請した人物です。一方で、彼はゴルフのゲームに大変厳格な姿勢で臨んだことでも有名で、著名なゴルフ評論家、バーナード・ダーウィンをして「ゴルフを嫌うがごとくプレーする」と評するほどだったそうです。詳しいことは、夏坂健先生のエッセイにありますので、ぜひ、お読みいただきたい。



さて、コースは最初の数ホールは、まるで滑走路のような平坦さ。最初だけで判断してしまうと、何だか拍子抜けしそうな印象はあります。コースの中には羊もいて、とてもEngland最古の名門コースとは思えない感じ。Scotlandの北部にあるBroraというコースも、コース内に羊がいますが、そこではグリーンはグルリと微弱電流が流れる電線で囲ってあります。しかし、ここNorth Devonではお構いなし。当然、グリーンの上には羊の糞も転がっています。ボールの汚れを取るのに、ついついボールを舐める癖のある人はご用心(そんな人は僕だけ?)。



しかし、4番ホール以降、コースは見事なリンクスコースに変貌します。昔からそのままと思われる見事なアンジュレーションと、外したら終わりという濃密なラフが、僕らを出迎えます。



このコースには、さらに馬まで登場。馬って、遠目に見ていたり、世話をする方が近くにいれば安心ですが、こうして見ると実に大きくて、少々怖いくらい。欧州の主要都市には騎馬警官がしばしばいますが、馬から見れば、人間なんて踏みつぶしてくれるわ、という存在でしかなさそうに思います。



僕らは15時半にスタートしたので、ホールアウトが日没ギリギリになりました。しかし、そのおかげで一生忘れられない夕陽を、四人で立ちすくみながら見ることができました。

このコースは、England内で79位と、少々低いランキングになっていますが、これは前半と上がりの数ホールが、平坦でやや変化が足りないことに起因しているのでしょう。ですが、それ以上に、ここは夏坂健読者にとっては、聖地のひとつではないかと思います。僕にとっては、上の夕陽と一緒にラウンドした友人4人との思い出が濃密に残るコースです。いつか、この4人でもう一度、ここを訪れたいと、心から願っています。

No. 110:Saunton Golf Club East Course

初プレー日: 2014年9月7日
場所: Devon , England
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://www.sauntongolf.co.uk/



ゴルフ狂の旅の二日目の午前中は、かなりマニアなコースへ向かいました。Sauton GCは、雑誌のランキングではEnglandでTop10にも入るコースなのですが(2015年では9位)、ロンドンから車で4時間近くかかる立地もあり、日本人ゴルファーで訪れる人はかなり少ないと思います。



これはクラブハウスからEast Courseの18番を見る景色。海からは距離があるため、海を見ることはできませんが、この広大なリンクスランドのどこまでコースが広がっているのかわからないほど、雄大です。ちなみに、僕らはEast Courseをラウンド。同じ土地に、West Courseもあり、合計36ホールのコースとなっています。



England南西部のDevonという地域には、このようなちょっと変わった背丈の高い、イグサのような草がいたるところに生えています。これがコース内のアクセントになっていて、とても印象的です。



海が見えない代わりに、山側の景色を楽しむのも、このコースの特徴です。そして、グリーンはフェアウェイと一体化していて、滑らかなこと、この上ありません。自慢ではありませんが、このホール、僕はセカンドをバンカーに入れましたが、ここからチップインでバーディを奪いました。



しかし、午後から風が強くなって、最終的には大苦戦。上空にさっきまであった雲がない、ということは、風が雲を飛ばしたということですから。18番ホールもこんな位置から写真を撮ったということは、右のラフに曲げたというわけでして、このホールはダボの上がりでした。

SauntonのEast Courseは、距離もあまり長くなく、黄色のビジターティから5,700y/Par70。しかし、この数字から判断して侮ることなかれ。風が吹いた瞬間に、コースの様相は一変します。その点では、このコースは典型的な、かつ本物のリンクスコースです。ロンドン旅行のついでに、と言うには、あまりに遠い立地ではありますが、ぜひ訪れて欲しいコースです。

No. 109:Royal Porthcawl Golf Club

初プレー日: 2014年9月6日
場所: Mid Glamorgan , Wales
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.royalporthcawl.com/pages.php/visitor_homepage.html



2014年9月6日と7日は、僕にとって忘れられない旅の一つを敢行しました。ゴルフ狂4名による、WalesおよびEngland南西部への2日3Rのゴルフ旅。1名は、スコットランドでの僕の相棒。2名は、在ロンドンのゴルフ狂仲間。在ロンドンのうち1名は、この後、東南アジアへの異動が決まっており、ある意味ではお別れ企画でもありました。

このゴルフ旅の最初の訪問地となったRoyal Porthcawlは、僕らが訪問した年、つまり2014年に全英シニアOPを開催しました。雑誌のランキングでは、WalesではNo.1。UK&Irelandでも42位にランクインしていまして、過去にはアマ版ライダーカップである、Walker Cupも開催しています。現地の報道によると、将来はWales初のThe Open開催を目論んでいるとか。



コースは一言で言うと「雄大」。スコットランドのゴルフコースは大好きですが、ここまで雄大なコースは、そうそうないと思います。そして、このコースの面白さは、何と言ってもグリーン。上の写真のように、自然な地形そのままで、とても滑らかにできあがっています。



ティからコースを見ると、そこは一面のラフ。見た目には、とてもタフなのですが、ボールがフェアウェイにきちんとあれば、パーやボギーを取ることができる、とてもフェアなレイアウトになっています。



模型を作って持って帰りたくなるような造形美。バンカーの配置、グリーンの形状、周囲の起伏。人間の造作が微塵も感じられない、何とも言えない心地よさが味わえます。


僕たちがラウンドしたのは、15時半くらいからのティで、ホールアウトしたのが、19時半前でした。まだ9月で、このように見事に夕陽が残っていました。

Walesには他にも素晴らしいコースが目白押しだそうですが、行ったコースはこの一つだけ。本当に惜しいことをしましたが、その中でも一番のコースをラウンドできたことは、本当によかったですね。