2015年3月11日水曜日

No.53:North Berwick West Links

初プレー日: 2012年11月3日
場所: East Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.northberwickgolfclub.com/



このコースは、僕が今までラウンドしたコースの中で、一番好きなコースです。以前、The Glenをご紹介しましたが、同じNorth Berwickの町の西側にありますので、こちらはWest Linksと呼ばれています。



まず、この絵をご覧ください。これは、1921年に書かれたNorth Berwickの風景です。



そして、これが僕が二回目にラウンドした、2014年8月のほぼ同じ方角からの風景。90年を越えて、風景は何も変わっていません。本当に感動的なコースでもあります。



このWest Linksは設計者がいないナチュラルレイアウト。コース内には、こうした壁が走っていますが、これがコースに見事なアクセントを加えます。



バンカーやグリーンの配置が本当に素晴らしい。人工的に作られた、いわゆる「トラップ」はありません。あるのは、ゴルフの本質である「ハザード」だけ。このPar3も、自然に挑戦する気持ちを駆り立てられます。



このコースの素晴らしさは、何と言っても、各ホールが素晴らしくアイコニックなところです。一つとして同じホールがなく、それぞれがとても個性的です。このホールは、13番ホールの「Pit」。グリーンとフェアウェイの間に壁が走っていて、グリーンは壁とブッシュの間のわずか10yの幅に収まっています。



最終18番は、North Berwickの町に向かって打って行く短いPar4、300y。右にはズラリと民家が並びますが、防球ネットなどはナシ。この場所に住む以上、ボールが飛んでくるのは覚悟、ということなんでしょうかね。でも、左側はとても広いので、そこまでプレッシャーがかかるわけではありません。バンカーもなく、Old Courseの18番とよく似た雰囲気です。

このWest Linksをホームコースにするクラブの一つが、North Berwick Golf Clubでして、1832年創立。通常、ティを申し込むのはこのクラブを経由します。このクラブを経由してティを取ると、クラブハウスのビジター施設を使うことができますが、ここのセクレタリースタッフがとにかく親切なのです。僕が初めてラウンドした日では、セクレタリーの方がクラブハウスの中を案内してくれました。素晴らしいのは、今はメンバー用のダイニングになっている18番グリーンの前にある部屋。ここは、クラブ創立時のロッカールームだったそうで、建て増しをしたときも残し、ダイニングに転用。しかし、クラブ創立時のオリジナルメンバーの名前が入ったロッカーは、そのまま残してあるのです。この歴史への敬意に、改めて脱帽しました。

スコットランドのゴルフ街道の一つ、East Lothianを旅されるのであれば、必ず入れて欲しいコース。でも、週末のティを取るのは難しいと思います。平日なら、12時以降はティが取れます。あと、11月から3月までは、フェアウェイマット使用だそうですので、ご注意下さい。

コースのレベルは、全英OP開催コースに匹敵するもの。しかし、North Berwick周辺の交通事情などもあって、全英OPは開催されていませんが、全英アマなど幾多のトップレベルの大会の開催地にはなっています。ですので、ゴルフ誌の評価は極めて高く、スコットランドで12位。
そして、世界全体でも82位にランクされています。

2015年3月1日日曜日

No.52:Dunbar Golf Club

初プレー日: 2012年10月13日
場所: East Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.dunbargolfclub.com/



スコットランドのゴルフ銀座の一つ、East Lothian地区で最も東に位置する名門クラブです。このクラブは、夏坂健先生の「ゴルフがある幸せ」にも登場する、本物のリンクスコース。しかし、クラブには排他的な雰囲気は微塵もなく、常にゴルファーを暖かく迎えてくれます。



Dunbarの特徴は、とにかく海に近いこと。そして、とても狭いエリアに絶妙にコースがレイアウトされていることです。上の写真は3番Par3のティからの景色。海との間に壁があるのがお分かりでしょうか。この壁の内側に、1~3番と18番があります。そして、実はこの壁の向こう、本当の海岸線にコースの「本体」が鎮座しています。



壁の「外」に出ると、2ホール分が収まるとても狭い土地にコースがレイアウトされています。ウナギの寝床のような感じですが、狭苦しい感じはありません。上の写真は、Dunbarのシグネチャーの一つ、8番ホールのグリーン。グリーンエッジと右の壁は、わずか1yしかありません。そして、グリーンは本物中の本物。固く締まっていて、心地よいスピード。自然の地形のままなので、人工的な鬱陶しいアンジュレーションはなく、その分、スリルが味わえます。



9番ホールはコースで唯一のブラインドのティショット。しかし、打ち上げた先は広いフェアウェイが待っていて、少し高い位置にあるフェアウェイから、このような見事な海の景色を楽しめます。この後、10番のPar3を終えると、引き返してくるレイアウト。


引き返してくると、今度は海沿いを帰ってきます。そして、通常の西風であれば、後半は基本的に向かい風。13番だけ、一度向きを変えますが、他のホールは風に向かってのプレーになります。

このコースのもう一つの素晴らしさは、極めてenjoyableであることです。クラシックなリンクスコースの特徴でもあるのですが、実はペナルは極端に厳しくない。パーを取るのが難しくても、ボギーを取るルートが準備されていたり、グリーンも全面がガードされているわけではないので、ルートを上手く選ぶ楽しみも味わえます。ホールとホールの間にあるラフも、そこまで厳しくないので、グリーンは狙えなくても、フェアウェイに戻すことはできるようになっています。こうしたいろんな特徴、そしてクラブの雰囲気から、僕が100近くラウンドしたスコットランドのコースの中では、Top10に入ってくるコースです。ゴルフ誌の評価では36位になっていますが、僕から見ると、少し不満の残るランキングですね。

No.51:Silverknowes Golf Course

初プレー日: 2012年10月13日
場所: Edinburgh, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.edinburghleisure.co.uk/venues/silverknowes-golf-course



このコースもスコットランドゴルフの奥深さを表すものの一つ。エジンバラ市が持つ公営コースです。ここをホームコースにするクラブもありますが、コース自体は市の持ち物ということで、誰でも気軽にラウンドすることができます。しかも、値段もすこぶる安く、£25程度ではなかったかと記憶しています。スタートハウスはとても簡素で、小さなカフェとプロショップがあるだけ。このスタートハウスの隣に、このコースを使っているSilverknowes Golf Clubがありまして、ラウンド後に軽食やビールを楽しむときは、こちらのビジターラウンジに入れます。



コースの立地は、エジンバラが誇る二大名門コース、BruntsfieldやRoyal Burgessと同じ並びの海岸線の丘にあります。クラブハウスから海が一望でき、海に向かって打ち下ろしていくスタートホールがとても美しい。上の写真は、コースを海側から見上げたものですが、丘に丁寧にコースがレイアウトされています。



海側を望むと、Forth湾に浮かぶCramond島やForth Bay Bridgeなども遠望できます。この海側の景色は、上記の二つの名門コースよりも素晴らしい。

コースの特徴としては、まずグリーンが非常に小さいこと。ですので、アイアンショットの精度が重要になります。一方で、ティショットに対するペナルはあまり厳しくありません。ですので、中級者にはとてもおススメです。ただ、公営コースの宿命なのか、グリーンのコンディションはあまりよくありません。ピッチマークはたくさん残っていますし、スピードはかなり遅め。また、これはどういう理由なのかわかりませんが、バンカーにレーキが置いてありません。ですので、バンカーに入れると大きなトラブルになりやすいですね。

しかし、こうした多少の欠点を含めても、グリーンの小ささによって引き締められたこのコースを、£25程度でラウンドできるというのは、日本では考えられません。立地もエジンバラ市内中心部から15分も掛からないくらい。こういうところも、スコットランドゴルフの懐の深さだと思います。