2015年11月29日日曜日

No. 86:Southerness Golf Club

初プレー日: 2014年3月18日
場所: Dumfries and Galloway, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://southernessgolfclub.com/



もうほとんどイングランドとの国境近く。この辺りで一番大きい街が、イングランドのCarlisle(カーライル)という本当にスコットランドの南端にあるコース。しかし、Southernessは、これぞScottish Classicというべき素晴らしいコースです。



この日は月曜日ですが、僕は休暇を取り、我が師はお店をお休みにして、二人でマッチプレーに興じました。ご覧のように、我が師は気温7℃の中でも半袖でプレー。



というのも、空気のきれいなスコットランドでは、青空が出るとしっかり日射が当たって、とても暖かく感じます。この日は、途中からこのようなきれいな青空。この写真でお分かりのように、Southernessは海だけではなく、内陸側の山の景色もとても素晴らしいのです。



これがSouthernessのシグネチャーとされている景色です。13番ホールのティから12番のグリーンを望むと、このような絶景になっています。

Southernessは典型的なリンクス地質ですから、冬でもウェアウェイとグリーンは固く締まり、スピードある軽快な転がりを楽しめます。パットや小技に自信のある人には、とても面白いコースです。しかし、距離は6,100yでPar69と、これまた結構厳しい。Par4の距離が軒並み長く、長いアイアンでのセカンドショットが要求されます。

ここで我が師と楽しんだマッチプレーですが、前半で4upとクラブハウスでのビールを楽しみにしていたところ、後半で盛り返され、最後の18番ではまさかのバーディで追い付かれて、ビールを頂き損ねてしまいました。そんなマッチプレーの楽しみとも合わせて、Southernessにはとてもいい思い出が残っています。

No. 85:Portpatrick Golf Club, Dunskey Course

初プレー日: 2014年3月10日
場所: Dumfries and Galloway, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.portpatrickgolfclub.com/



Stranraerをラウンドした午後、今度は湾を囲む西の半島に反対側にあるPortpatrickをラウンドしました。3月中旬で、概ね日中は12時間。18ホールをスルーで3時間半程度でラウンドできるスコットランドでは、このように近くのコースを組み合わせて、2ラウンドすることは極めて普通のことでした。



Portpatrickは、Stranraerとは異なり、カテゴリ的にはクリフトップリンクスに入ります。コースの景色も、高い木がほとんどなく、荒々しい感じです。しかし、極端にトリッキーというわけでもなく、6,000yをやや切って、Par70。難しすぎず、印象に残るホールが多く、気持ちのよいコースです。



このホールはまだまだ海から遠いのですが、ご覧のようにすでにその先に海が見えています。



このコースのハイライトは、13番のPar4。崖の先にある小さなグリーンへ向かって打ち下ろしていきます。300y弱ですから、ドライバーに自信がある人は届く距離ではありますが、少しでも左に巻けば、海に落ちてOBに。かといって、右に逃げてしまうと、今度は海に向かって下っていく怖いアプローチになります。

クリフトップリンクスなので、地質は砂地ではなく、僕らがラウンドした日は結構ウェットでした。しかし、グリーンの状態が午前中のStranraerよりもよくて、僕には程よいスピード(すなわち、普通のシングルさんにとってはかなり遅め)。そのせいもあって、ここでは+5でラウンドすることができました。でも、風はあまりなく、コンディション的にはよかったわけで、風が吹けば、全然違うスコアになりそうなコースです。

Glasgowからでも車で2時間近くかかるコースで、なかなかゴルフ旅の視野に入りにくいところですが、マニア垂涎のコースと言ってもいいのではないかと思います。リンクスゴルフ紀行を多く書かれている、山口信吾氏の日経新聞WEB版への連載でも、このPortpatrickと前出のStranraerは入っていませんしね(別の著作では恐らく紹介されていることと思いますが)。

No. 84:Stranraer Golf Club

初プレー日: 2014年3月10日
場所: Dumfries and Galloway, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.stranraergolfclub.net/



なかなか訪れることができていなかった、スコットランド南西部のDumfries and Galloway地方にようやく足を踏み入れました。まず、この日はゴルフ狂の若い友人を誘って、1日2ラウンドの日帰り旅を強行。まず、その一つ目が、このStranraerです。

Stranraerは上の地図でご覧になるとわかるように、天然の良港になっていまして、今でもこの湾からアイルランドに向かうフェリーの発着港にもなっています。Stranraer GCのコースは、この静かな湾を見下ろす丘に設計されています。海沿いですが、リンクスコースではなく、パークランドコースのカテゴリに入ります。

ここは、James Braidが最後に設計したコースという名乗りを持っています。生涯で、改造・改修も含め、200近いコースをデザインしたBraidの最後の作品ということを、クラブの人は大変誇りに思っているようです。僕が訪れた際、クラブのバーでプレー代の支払いをしたのですが、そこでメンバーと思しき方が僕に、上記のことを丁寧に説明下さったのを覚えています。



これは5番ホール。リンクスコースとほとんど同じような、海面すぐ近くを歩いてゆきます。このホールだけテンポラリーグリーンだったのが、残念。



これあ14番ホールのティから。僕らが訪れた日は、丸一日どんよりとした天気。前日までは強い雨も降っていて、コースはウェットな状態。リンクス地質ではないので、フェアウェイではほとんどランがなく、グリーンはやや遅い状態でした。


こちらは14番のグリーン。海沿いのホールは数ホールですが、そこからの景色がダイナミックで、印象に残ります。

コースは海沿いの丘を登ったり下ったりしながら、とてもコンパクトにできています。極端に難しすぎるわけでもなく、またBraidの特徴である、小さく傾斜を巧みに使ったグリーンが楽しめる、日々のゴルフにはとても適したコースですね。

Stranraerの町の人に、Braidが最後に残した珠玉のコース。Braid Trailを目指す方には、絶対に必要なコースです。

2015年11月28日土曜日

No. 83:Muirfield, The Honarable Company of Edinburgh Golfers

初プレー日: 2014年2月14日
場所: Muirfield, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.muirfield.org.uk/



Muirfieldはご存知、全英OP開催コース。最近では、2013年に開催していますが、そのときには確か3日目を観戦に行きました。何とかラウンドしたい、と思っていたところ、初プレーの日はロンドン在住のゴルフ狂の友人がティを取ってくれて実現。そして、帰任が間近になった2014年12月には、このゴルフ狂の友人に加え、別のゴルフ狂の友人、そして我が師の4人でラウンド。初プレーの日は、1対1のマッチプレー。二回目の日は、我が師と組んだ4ボールのマッチプレーを楽しみました。

Muirfieldは、実はコースの名前でもなく、Gullaneの隣の集落の名前。コースを持つクラブは、「The Honarable Company of Edinburgh Golfers」という、スコットランドでも超名門。名前の通り、かつてはEdinburghにあったクラブです。このクラブも、かつてはLeithというEdinbrugh市内にあった公共コースをホームとし、その後、Musselburgh Old Linksへ移り、そこも混雑がひどくなったため、Muirfieldに敷地を購入してコースを作ったのだそうです。このときのオリジナルレイアウトはOld Tom Morrisですが、今とはかなり違うレイアウト。今のコースの原型を作ったのは、Harry Coltです。その後も何度か改造は行われているのですが、今のデザインはColtの設計ということになっているようです。



Muirfieldを一言で形容すると、「カッコイイ」。ホールの一つ一つが雄大で、かつ印象的。このグリーンの造りも、左側に石壁があり、当然OBラインになっています。しかし、右に逃げようとすると、大きさは大したことないけど、切り立ったバンカーが並びます。欲を張って、キャリーでグリーンを狙っていくと、バンカーに捕まる可能性は高くなりますが、手前にはきちんとグリーンへの入り口があります。どちらを選択するかは、プレーヤの自由。



これは8番ホールで僕が起こした珍事。残り160yくらいのセカンドを打ったら、ドの付くようなトップ。それが、目の前のバンカーの壁に突き刺さってしまいました。もちろん、アンプレで打ち直し。



Harry Coltが設計し直した際、元あったバンカーの形はほとんど変えなかったそうです。Muirfiledのバンカーは、形がユニークで造形としても面白いです。



17番ホールは、リンクス特有の鍋底形状のグリーンになっています。グリーンは周囲よりも高いもの、という先入観はここでは通用しません。グリーンが低いと、実はグリーン上のラインが読みにくいのです。


これは最終18番の有名な右サイドのアイランドバンカー。見えているボールは僕のもの。見事につかまり、結局ダボという結果でしたが、ここからプレーできたことはよかったと思います。

Muirfieldは少し海から遠いので、隣のGullaneにあるような、海に落っこちそうなグリーンがあるわけではありません。しかし、とにかくカッコよく、感動的なホールが連続します。Muirfieldは、ブラインドのホールが少ない上、隠されたハザードが少なく、おおむねのハザードはティから見えるようになっています。そういう意味では、現代のトーナメントコースの原型になっていると言えるのかも知れませんね。

Muirfieldは、現在は火曜日と木曜日にビジター向けにティが開放されていて、オンラインでティが取れるのですが、4~10月のトップシーズンにティを取るのは至難の業。さらに、プレーにもかなりの制限があり、午前中のティでないと4ボールではプレーできません。午後は2ボールのみ。また、必ず4人で申し込まなければなりません。また、ハンデ制限も18以下となっていて、かなり厳しくなっています。しかし、冬場になると来場者もグッと減ることもあり、意外にティも取れるし、電話をすれば2人でもプレーできるようです。冬場になると、値段もグッと下がるのでお得。クラブのホームページによると、トップシーズンは£220ですが、冬場は£110と半額だそうです。

ここでのもう一つのお楽しみは、ダイニングでの£30のランチです。恐らく、スコットランドでは最もおいしいローストビーフを食べることができます。ただし、ダイニングに入るためにはネクタイとジャケットが必要ですので、要注意。また、クラブハウス内では写真の撮影は禁止です。コースの写真や、コースからクラブハウスの写真を撮ることは許されていますが、こちらも要注意です。

2015年度のUKゴルフ誌のランキングでは、スコットランドで堂々の1位。これは納得ですね。