2016年3月20日日曜日

==最後に==

数えてみると、コースとしては123になっていました。住んでいた街のPar3コースを含めれば、124になりますが、まあ、Par3コースまで入れる必要はないでしょう。

これだけラウンドすれば満足でしょう、と思われそうですが、まとめてみたら、思ったほどではなかったな、もっとできたな、と感じています。それほど、スコットランドにはゴルフ場がたくさんあったからです。

ただ、僕がスコットランドでどうしてもしたかったことがありました。それは、町の小さなクラブに所属して、競技に参加したり、メンバーたちとビールを飲み交わすという、クラブライフを体験することでした。最初、Pumpherstonというクラブに入りましたが、ここではまだ僕の英語の問題もあって、友人を得ることが出来ず、退会。その後、入ったUphallでは、上手く友人に恵まれ、ハンデを得て、競技に参加することが出来ました。競技に参加するといろんな人とラウンドできるようになり、別の日にクラブハウスやプロショップで会ったときにも、会話が弾みます。ラウンド後、我がコースはネットスコアの一番良かった者が、ドリンクを一杯ご馳走するのがしきたりでしたが、そこで同じ組の面々で反省会をしていると、長老と思しきメンバーから話しかけられたり(僕は唯一の日本人メンバーだったので、余計にみんなに話してもらえました)、サッカーやラグビーの中継をみんなで見て大騒ぎしたり、と楽しい経験ができました。

クラブのヘッドプロは、僕の名前を最後まで正しく発音できませんでしたが、最後まで親切にしてもらいました。特に、帰国前の最後の土曜日にコースに出ると、当然、競技の真っ最中でした。しかし、プロが「お前、今日が最後だしな。よし、次のティオフをお前にやるよ」と言って、長男と二人でラウンドさせてもらいました。

クラブで僕のハンデ証明をしてくれた友人Ewanとは、天気が良ければ、ほとんど毎日、夕方ゴルフを楽しみました。我がクラブは、水曜と土曜が競技の日。土曜は公式競技なので、組み合わせはマッチセクレタリーがアレンジしますが(プレーヤは自分がプレーしたい時間スロットだけを指定します)、水曜日は自分の好きな人とラウンドできました。また、他の日でも、エジンバラ勤務だった彼から午後3時くらいになると「天気はどう?」とSMSが来る。僕が「晴れてるぞ」と返信すると、「じゃ、1番ティに6時な」という感じ。そこから、二人でマッチプレーに興じる毎日でした。僕のスコットランドゴルフのハイライトは、彼の目の前でホールインワンを達成したことでした。そのときも、一緒に回っていた彼の友人と3人で、5分ほどハイタッチなどで大騒ぎしただけ。しばらくは、プロショップやクラブのラウンジに寄ると、みんなから「おめでとう!」と言ってもらいましたが、それも2週間くらい。日本の無駄騒ぎとは違っていて、気持ちよかった。

もし、僕がクラブライフを選択しなければ、もっとたくさんのコースをラウンド出来たろうと思います。ですが、生活者としてのゴルフを楽しみたかった。その中で、120を超えるコースをラウンドできたことは、もう一つ、日本人(ドイツ人)の友人の存在が大きいです。友人たちがいたからこそ、いろんなところに旅をすることができました。ゴルフは、一人でやっても面白いけど、二人でやると倍ほど面白い。三人なら三倍、四人なら四倍面白いのです。もちろん、そこにはストロークプレー以外のゲームがあるわけですけれど。その中でも、コアな面々とは「修行」と称して、家族を置き去りにして、ゴルフの旅に出ました。僕は駐在期間、単身赴任ではなく、家族帯同でした。こんなゴルフ狂の父親を許してくれた家族にも、改めて感謝します。

最後に、この3年半のゴルフをまとめた表を貼りつけて、終わりにしたいと思います。ここの情報が、今後、スコットランドやUK、欧州へゴルフ旅をされる人に、多少なりともお役に立てば、幸いに思います。





No. 123:Royal St George's Golf Club

初プレー日: 2014年11月11日
場所: Sandwich, Kent, England
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.royalstgeorges.com/



3年半の夢ゴルフの最後は、Royal St George's、通称Sandwichです。実は、僕がUK赴任を始めた、2011年のThe Open開催コース。当時、まだイングランドにいた僕は、そのThe Open開催の翌週、ここを訪れました。開催週は東京の本社からの幹部訪問があり、観戦に行けなかったのです。翌週、会場だけは見に行こうと思って訪れたのですが、最後になってようやくラウンドできました。

しかし、Walton Heathをラウンドした夜に、僕は大失態を犯してしまいます。僕は視力が大変悪く、コンタクトレンズが必要なのですが、こともあろうに、この日、僕はコンタクトレンズの交換液を忘れてしまいました。そして、コンビニで適当なものを選んだところ、ハードコンタクト用の洗浄液を購入してしまい、それを誤って使った僕は、目の角膜を痛めてしまい、この日は眼鏡(一応持って行っていた)で、しかも目の激痛に耐えながらのラウンドになりました。



目が霞んでほとんど見えない中、友人二人(前日からの「兄貴」とスコットランドでの僕の「相棒」と同伴)に方向を教えてもらいながらのラウンド。パッティングで構えても、ボールがはっきり見えないという悲惨な状態でした。そこで、僕の目の代わりになってくれたのが、携帯電話のカメラでした。



ただ、目が見えなくても、歩いた感覚は確実に残ります。このSandwichは、とにかくアンジュレーションが素晴らしいのです。仮に見えていたとしても、どこに打ってゆけばいいか、一見ではわかりません。



The Open開催コースの中でも、屈指の難度と言われる理由がよくわかりました。霞む目でも感じましたが、写真を見れば、難度が伝わってくるのではないかと思います。


そして、この最後の「新しいコース」のラウンドに、ゴルフ狂の仲間二人が一緒だったことに、本当に感謝です。いいコースを一人で回るのも、それはそれでよいのかも知れませんが、やはりゴルフには仲間がいてこそ。その中でも、このゴルフ狂の友人とはいろんなコースを回りました。仲間のおかげで、ゴルフの「巡礼」の旅が楽しくできたのだと、心から思ったラウンドになりました。

No. 122:Walton Heath Golf Club, Old Course

初プレー日: 2014年11月10日
場所: Walton on the Hill, Surrey, England
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.waltonheath.com/



日本への帰国を1か月に控えたこの時期、ロンドンにいる友人(日本人&ドイツ人)を訪ね、ライダーカップ開催の名門コース、Walton Heath Old Courseをラウンドすることが出来ました。Walton Heathは、ロンドンをグルリと一周する環状高速道路M25のすぐ内側にあるコースです。



コースは、分類上はHeath Landと言われるタイプです。ただのパークランドコースというよりは、Heathという独特のタイプの草がラフに茂っている感じ。雰囲気としては、木々に囲まれたリンクスコースのような感じでしょうか。



Walton Heathはパッと目には平らに見えますが、中には結構なアンジュレーションがあります。その一つ一つが印象的です。しかも、コースはとてもクラシックな造りで、僕の好みに完全に合致しています。



立地は、ロンドン南部のGatwick空港の近くにあり、上空を飛行機が行き交っています。そして、飛行機雲がたまにスコットランドの国旗を作ったりしていました(ここはイングランドだけど)。

僕は2011年4月から7月までは、この界隈(ロンドンから南西方向に車で45分)に住んでいたのですが、右も左も英語もわからなかった頃で、同じ社内のロンドン駐在者としかゴルフしていなかったので、この地域のゴルフ場のことはよくわかりませんでした。今思うと、Walton HeathのあるSurrey(実は僕も当時はSurreyに住んでいた)は、名門コースが目白押しだったので、本当に勿体ないことをしました。





No. 121:Troon Lochgreeen Course

初プレー日: 2014年11月1日
場所: Troon, Aryshire, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://www.golfsouthayrshire.com/play/the-courses/troon-links/



Troonと言えば、皆さん、すぐに2016年The Open開催のRoyal Troonを思い浮かべられると思うのですが、実は、Troonには他にもリンクスコースがあります。しかも、公営コースで、お手頃価格。通称、Municipalと言われる、South Ayrshireの公営コースには、Troonの街中だけで、3つのリンクスコースがあります。実は3つともラウンドしたかったのですが、いつでもできる、と思っていたら、どれもラウンドしていないことに気が付き、所属していた日本企業会のゴルフコンペの幹事を強引にさせていただいて、この3つのうちの一つ、Lochgreen Courseをラウンドすることができました。



このコースはリンクスコースですが、海沿いではなく、小高い丘に登っていくコース。途中、Royal Troonを見下ろせる場所もあります。距離は6,450yでPar74。結構、タフなホールが多いのが特徴です。



リンクスコースでありながら、内陸に向かってゆくコースですので、このようにパークランドコースのような趣も出てきたりして、変化が楽しめます。


しかし、コースにあるバンカーはリンクスのもの。フェアウェイも、砂地で硬く締まっていますし、グリーンもなかなかの硬さを楽しむことができました。

これだけ立派なリンクスコースですが、何と夏場のトップシーズンでも、プレーフィはわずかに£32。となりのRoyal Troonをビジターラウンドすると、£190(2コース合計の値段)ですから、いかに安いかがお分かりいただけると思います。

ここは東のGullane界隈、北のSt Andrewsと並んで、スコットランドのリンクスゴルフの三大拠点と言ってもよいと思います。ゴルフ作家・夏坂健先生は、Gullaneに住みたいと仰っていたそうですが、僕はGullaneとTroonで悩んでしまうところですね。

そして、このコースが、僕がスコットランドでラウンドした「新しいコース」の最後になりました。この後、帰国までに数回、ラウンドはしたのですが、新しいコースはここまで。1年半経過した今でも、ほとんどのコースのことを覚えているものだなと思います。

No. 120:Golf Blue Green Rennes Saint-Jacques

初プレー日: 2014年11月1日
場所: Saint-Jacques-de-la-Lande, France
また行きたい度: ☆☆☆
http://bluegreen.com/en



フランスのレンヌには、僕が駐在していたスコットランドの小さな事務所の本店がありまして、年に数回、出張していました。この界隈にもゴルフ場がいくつかあるのですが、ようやく最後の出張で伺った際に、レンヌの街のコースにお邪魔することが出来ました。



とても美しい林間コース。朝の時点では、朝露で濡れている状態。気温はそれほど低くなく、気持ちよいラウンドです。



途中から青空になり、陽光が差し込んできました。このようにコースは高い木に囲まれており、リンクスコースに慣れているスコットランドからのゴルファーには、空中のハザードを避けるのに四苦八苦という状況。



小さいグリーンですが、とても滑らかに作られていました。コースのお隣は、レンヌの空港。車で15分も掛らなかったような。

フランスではあまりゴルフは盛んではないのかな、と思ったのですが、実は案外ゴルファーは多い模様。特に、レンヌや以前ご紹介したDinardのあるこの地域は、ブルターニュ地方と言います。その語源が「ブリテン」だそうで、案外地域性からも、ゴルフが受け入れられる土壌があるのかなと思ったりしました。