2015年1月27日火曜日

No.38:Western Gailes Golf Club

初プレー日: 2012年5月10日
場所: Ayrshire, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.westerngailes.com/



Ayrshireも珠玉のリンクスが連なるエリアですが、このWestern Gailesはこれらの中でも、歴史のある名門クラブ。現在も全英OPのローテーションに入っているRoyal Troon、第1回全英OP開催地のPrestwickに比べると、知名度はやや下がってしまいますが、West Coast Lineと呼ばれる鉄道よりも海側にあり、トップクラスのリンクスコースを持ちます。僕の駐在中に大変お世話になった現地の方が、ここのメンバーに推挙され、僕はこの方によるご招待、つまりゲストとして、都合4回、このコースをラウンドする機会を得ました。このクラブは、今でも女性メンバーはおらず、クラブハウスに入るには、ネクタイ・ジャケット着用が義務という、古き伝統を頑なに守っています。しかし、クラブの雰囲気、特にメンバーの皆さんは本当に気さくでいい方ばかり。僕のような40そこそこの若い東洋人でも、快くゲストとして迎えて下さいました。ちなみに、メンバーの招待なく訪れるプレーヤはビジターと呼ばれ、当然のことですが、ビジターフィを支払います。一方、こういう名門クラブのゲストというのは、全て費用はメンバー持ち。というわけで、この素晴らしいリンクスコースを毎回無料で楽しませてもらいました。



Western Gailesは極めてクラシックなリンクスコースなのですが、他のリンクスと違うのは、コースのループです。通常、クラシックなリンクスコースは、「行って、戻る」という構造になっています。9番ホールで一番奥まで進み、10番で折り返すという構造ですね。しかし、このコースは、クラブハウスがコースの真ん中にあり、1番から4番まで北上し、5番から13番まで南下。14番から再び北上という構造になっています。



フェアウェイは絶妙なアンジュレーションを持ち、とにかくナチュラル。特に5番からの13番は、海沿いを進んでいきます。ティやグリーンなど、少し高いところに行けば、Clyde湾に浮かぶArran島とその奥のKintyre半島を望むことができます。



このコースは、ラフやゴースが巧みに配置されていて、ボールを曲げてしまうと、大叩きは必至です。しかし、フェアウェイ自体は十分に幅もあり、フェアネスはとても高いコース。難易度も高いので、全英OP開催レベルではあるのですが、Royal Troonに比べると、コースがコンパクトにレイアウトされ過ぎていること、そして周囲に観客を収容するエリアがないこと、そして少し距離が短いのです。ですが、このコースはRoyal Troonで全英OPやシニアOPが開催される際には、最終予選会の会場になります。

名門クラブということで、ティが取りにくいコースの一つですが、リンクスコースに必要な要素をすべて、過不足なく含んでいるという点では、このコースよりもいい構成を持っているコースはそうそうないと思います。そのせいもあり、UKゴルフ雑誌のランキングでは、17位に入っています。

2015年1月25日日曜日

No.36 & 37 : Dalmahoy Marriott Hotel & Country Club

Dalmahoy East & West
初プレー日: 2012年5月4日
場所: Mid Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆(East)、☆☆☆(West)
http://www.marriott.com/hotels/travel/edigs-dalmahoy-marriott-hotel-and-country-club/



エジンバラ空港から南に車で15分程度のところにある、ホテル所有の名コースです。East、Westともに、名匠・James Braidの作品。特にEast Courseはチャンピオンシップコースであり、フルバックティからは何と7,400yを越え、ビジターティからでも6,600y近く。僕はEastを4回くらいラウンドしたのですけれど、85は切れなかった。



James Braidのコースには特徴があります。その一つが「短いPar5と長いPar4の組合せ」、そして「短いPar4はグリーンとその周辺が難しい」というものです。Braidは1900年初頭に全英OPで5勝した名手であり、その後、数多くのコースを設計、およびリレイアウトをした、まさにコース設計者としての巨人でもありますが、彼は現役自体、元祖・ロングヒッターと呼ばれました。190㎝近い大柄な体格を生かし、パワードライブをゴルフに持ち込んだ人なのですが、彼は若い頃はショートゲームの達人としてプロの世界にデビューしたという、変わった経歴の持ち主。彼の設計するコースは、「飛ばし屋が有利」ということに加え、「グリーン回りの技術が重要」という二つの要素を兼ね備えています。そして、このDalmahoy Eastはその典型的な例でしょう。400y前後のPar4がズラリと並ぶ中、500y満たないPar5があり、さらに300y台のPar4はドライバーを打ってくることはできても、そこからの繊細なタッチのショートゲームを要求してきます。一方で、West Courseは距離も5,200y程度と短めですが、こちらは「お楽しみ系」のコース。Braidの要素である片方「グリーン回りの技術が重要」というホールを18個、楽しめるようになっています。



僕としては、何度もラウンドしたEast Courseは多少飽きた感じがあり、一方で1回しかラウンドしていないWest Courseの方に「また行きたい度」を厚く配分していますが、ここはどちらもラウンドすべきでしょう。ただ、ここはトップシーズンの週末はとても混雑していますので、プレー速度がやや遅くなるのが難点。特にEast Courseは難易度高く、プレーヤを選ぶコースなんですが、ホテルの宿泊客の多くは、やはりEast Courseがお目当てのようで、ちょっとレベル的に問題のあるプレーヤが多く見受けられるのも、残念なところです。

No.35:Longniddry Golf Club

初プレー日: 2012年5月3日
場所: East Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://www.longniddrygolfclub.co.uk/



エジンバラから東のEast Lothianという地域も、まさにゴルフの土地。Longniddryは、Musselburghを過ぎて、Gullaneへ向かう途中にある小さな綺麗な町です。そして、その町にも美しいゴルフコースがあります。



ゴルフコースの案内板に従って住宅街を抜けて行くと、このような美しいクラブハウスが現れます。目の前は1番ティです。このコースは、海沿いにあるのですが、リンクスと言っていいのかどうか。地質的には砂地のリンクスエリアにあるのですが、コースの雰囲気は林間コース。特に前半は、高い木々を抜けて行くホールが続きます。



このコースが素晴らしいのは、グリーンです。グリーンがとても固く締まっていて、スリルのある転がりが楽しめます。こういうグリーンをアプローチで攻めるときは、落とし場所が大事。日本のゴルファーがみんなやる「ウェッジでピッチかピッチエンドラン」では、まず止まらない。手前でワンクッション入れるか、スピンでギュッと止めるしかありません。

そしてグリーンの配置もとてもいい場所に置かれていることに驚かされるのですが、それもそのはず、このコースはハリー・コルトの設計なのです。距離はビジターティから6,000yあるのですが、何とParは68! しかも、SSSは71と、かなりタフなコース。僕が初めてラウンドした日は、気温13℃であまり風のないいい天気の日でしたが、2回目にロンドン在住の友人とマッチプレーに戯れた日は、ラウンド中に何度も前線が通過する、結構厳しい天気。固いグリーンに向かって、ボールを上げられない状況では、グリーンの入り口がどこかを見定め、手前の傾斜を計算するゴルフが求められます。特に、このコースの後半は海に近くなり、木が少なくなりますので、体力的に疲れてきた終盤でリンクスの厳しさを体験することになります。

リンクスとパークランドの不思議なコンビネーションは、このコースでないと味わえません。しかも、設計がハリー・コルトと聞けば、やはりここも必ず訪れるべきコースではないでしょうか。

No.34:Bathgate Golf Club

初プレー日: 2012年4月30日
場所: West Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.bathgategolfclub.com/index.php



実はこのコース、僕の住んでいた町にあり、さらには僕の住んでいた住宅街と接する場所にありました。さらに驚くべきは、町の中心にある駅(Bathgate駅)の裏手。僕が住んでいた場所からは、このコースが一番近いのですが、ちょっとした名門コースで、ここのメンバーにはなれませんでした。



このクラブは、何とライダーカップのキャプテンを二人も輩出しているという稀有な歴史を持っています。今でも、バーナード・ギャラハーはスコットランドのゴルフレジェンドの一人で、彼の甥であるステファンが、2014年のライダーカップに出場しました。



これは確か4番のPar3で200yの打ち下ろし。このグリーンの先に見えている住宅街が、僕が駐在当時住んでいたエリアです。

コースはビジターティから5,800y弱のPar71と短いコース。僕がラウンドした当日は、雨の翌日ということで、コースは大変にウェット。ドライバーでもランがゼロということもあり、表示以上に長く感じました。レイアウトも結構面白く、狭い立地の中に巧みにティとグリーンが配置されていて、とても面白かった印象があります。

通常、スコットランドのコースは、水曜日と土曜日が競技の日に設定されていることが多い(実は、古くはスコットランドは土日ではなく、水と土がお休みだったのだそうです)のですが、このコースは日曜日が競技の日になっているのだそうです。もし、週末にラウンドしたい場合は、土曜日ということになりますね。

自宅の裏にあり、何時でも行ける、と思っていて、結局、この日1回で終わってしまったのが、あまりに残念でした。

2015年1月24日土曜日

No.33:The Glen Golf Club (East Links)

初プレー日: 2012年4月12日
場所: North Berwick, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://www.glengolfclub.co.uk/


North Berwickと書いて、スコットランドの人は「ノース・ベリック」と読む町には、その町の東西に素晴らしいリンクスコースがあります。町の住人は、クラブの名前でコースは呼ばず、East Links、West Linksと言い習わしていまして、このThe Glen Golf Clubの方は、立地が東にありますので、East Linksの方になります。



East Linksは典型的なクリフトップタイプのリンクスコースで、純粋な、いわゆる砂地にレイアウトされたホールは、1番ホールと18番ホールだけ。あとは、町の東にある海岸沿いの丘の上にコースが広がっています。上の写真は、1番ホール。300yちょっとの短いホールですが、右がOB。そしてセカンドはショートアイアンで10mくらいの高さに向かっての打ち上げになります。



このコースは前半の9Hがずっと内陸側を進むホールが続きます。この前半が少し単調なところが残念。しかし、10番で折り返して以降は、海沿いをプレーしていくので、素晴らしい景色を楽しむことができます。こちらの写真は、13番のPar4。海に突き出たテラスのような格好のグリーンに向かって、実はティグラウンドからはブラインドになるという、とても勇気の必要なホール。このホールはゴルフ雑誌にしばしば登場します。


そして最終18番は、1番の折り返しの打ち下ろし。その豪快な景色とは裏腹に、風が気になるホール。道路を越えてしまえばOBですし、海から風が吹くと、1番へ打ち込んで、さらに左にOBもあり得るホールです。

このコース、特に後半の9Hの景色や仕掛けは本当に見事なのですが、前半の9Hが実に弱いのが難点。そのせいか、これだけの景色を持つ立地でありながら、UKゴルフ誌の評価は82位に留まっています。

ですが、やはりこの景色、特に13番と18番のティに立った時の鳥肌の立つ感覚は素晴らしい。East Lothianのゴルフ旅には、必ず入れていただきたいコースの一つです。


No.32:Pumpherston Golf Club

初プレー日: 2012年3月21日
場所: West Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.pumpherstongolfclub.co.uk/



Pumpherston GCは、僕のオフィスから最も近いコースで、車で3分程度の場所にありました。スコットランドで最初にメンバーになったのは、このコースでした。会社から近いという立地と、短いながらも戦略的なレイアウトが当時は気に入ったのです。



綺麗な林に囲まれた美しい林間コース。距離は6,000y前後でPar70。それほど難しすぎるわけではなく、日々のラウンドをするにはちょうどよいコースで、気に入っていました。このコースは、もともと9ホールだったのですが、後に18Hに拡張したそうでして、そのため、スコットランドのコースにしては珍しく、9Hの二つのループになっています。ですので、早朝や夕方ラウンドしているときは、1番・10番の空いている方からスタートしたものです。



これは13番のPar3。構成がAugusta Nationalの12番のような感じで、何度も右手前の川に落としたものです。

ただ、このクラブでは僕は友人を得ることができず(まだスコットランド赴任1年未満で英語に自信がなかった)、ハンデを取得できなかったので、クラブの競技に出場できなかったのは残念でした。このクラブはとても競技に熱心で、このクラブのメンバーがエジンバラ界隈のLothian地区の地区アマ選手権に優勝するなど、若い優秀なプレーヤがたくさんいました。もう一つの欠点は、このコース、雨にとても弱いことでした。雨が少し強めに振ると、コースには水が浮いて、クローズすることが多かった。特に、2012年の夏は天候不順で雨が多く、夏場のトップシーズンなのに、グリーンはとても遅く、さらには11番ホールの途中のフェアウェイが40y四方で水没してしまうなど、残念なコンディションが続いたので、1年間だけで退会し、Uphallに移ったのでした。

それでも、このコース、アップダウンも適度にあり、状態のいい日はとても面白いグリーンを楽しめます。リンクスに出る前の肩慣らしには、ちょうどよいコースでしょう。

No.31:Dundonald Links

初プレー日: 2012年4月1日
場所: Ayrshire, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.dundonaldlinks.com/



グラスゴーの南西部のAyshire地区の海岸線は、スコットランドでも有数のリンクス銀座。有名なRoyal Troonを始め、歴史あるリンクスコースが連なる魅力的な場所です。その中で、Dundonald Linksはかなり若いコース。2003年オープンですから、まだ10年そこそこ。このコースは、実はグラスゴー北西にある超名門コースLoch Lomond GCが所有する「冬用コース」です。内陸にあるLoch Lomondは水はけが悪くなることもあり、冬場はクローズします。そのメンバーさんたちが冬場はリンクスでゴルフを楽しむためにできたコースなのですが、一方でビジターにもティを開放しています。特にこのDundonaldは、冬場でも基本的にフルコンディションでのプレーが確約されていることと、滅多なことではクローズしないことから、冬場のラウンド先に困ったときにお世話になりました。



Dundonaldは極めて若いコースなのですが、非常に上手く作ってあり、クラシックなテイストを味わうことができます。アンジュレーションもあまり作った感じがなく、とても滑らか。設計者はKyle Phillipsという人で、スコットランドではもう一つ、Kingbarnsという素晴らしいリンクスも手掛けています。



線路に沿って進むホールも、どことなく古風な感じを上手く醸し出しています。実は、線路の向こう側はWestern Gailesという本物の歴史あるリンクスコースがあります。北には、これまた名門のGlasgow Gailes(Gailes Links)、南には以前紹介したKilmarnock Barassie。三方を名門リンクスに囲まれているのです。



そして、この背丈を越えるバンカー。バンカーの配置も、あまり人工的な感じはしません。

ここは都合3回ラウンドしたので、また行きたい度という指標ではやや低めになるのですが、とてもいいコースでした。リンクスの面白さは、天候によって全然スコアが変わってしまうところです。初めてラウンドした日は、春の陽気暖かな穏やかな日で83/+11。しかし、最後にラウンドした日は、風がビュービューに吹き付ける日(写真の日)でして、50y程度のアプローチでも風でボールが真横にすっ飛んで行くような状況。このときに、今までのワーストスコア112をマーク。同じコースで30打も違うゴルフができるのも、スコットランドのリンクスならでは、と言ったところでしょう。

Ayrshire地域のリンクスは、Troonの公営コースを除くと、値段も高く、名門コースが多いのでティが取りにくいのですが、ここはオンラインで1人から予約ができますので、おススメのコースです。

2015年1月21日水曜日

No.30:Machrihanish Dunes

初プレー日: 2012年3月18日
場所: Argyll, Scotland
また行きたい度: ☆☆
http://www.machrihanishdunes.com/golf/the-course/

以前、The Machをご紹介しましたが、このMach Dunesは、そのお隣さん。できたのが2008年ですから、リンクスコースとしてはかなり若いコースです。初めてラウンドしたときは、ここを1日2ラウンド。そして、2014年6月にゴルフ狂の仲間とラウンドしたときは、The Machの翌日にプレー。どちらも、とても贅沢な旅程でした。



すでにこのコースも、スコットランドの中でもトップクラスの評価を受けていて、2013年度のランキングでは25位。名だたる歴史的リンクスに肩を並べるレベルです。
http://www.todaysgolfer.co.uk/courses-and-2-fore-1/top-100-golf-courses/top-100-golf-courses-scotland-2013/top-100-scotland-2013-30-21/machrihanish-dunes/



そして、コースもとても荒々しい、古風なリンクスそのもの。と言いたいところなのですが、やはり、The Machに比べると、かなり無理をしている感が否めません。つまり、Old Tom Morrisがここを選ばず、The Machの場所を選んだ理由が、何度かラウンドしているとわかるような気がしてくるのです。



コースからの眺めは、The Machよりは上でしょう。The Machはコース自体、少し海から離れているホールがほとんどなので、海沿いをプレーしていくホールは1番以外はほとんどないのですが、Mach Dunesは、このような景色がティやグリーンから臨むことができ、そういう点では比類なきコースではあります。



しかし、アンジュレーションがここはきつすぎるため、ほとんどのホールでティショットだけでなく、グリーンを狙うショットまでブラインドになります。また、フェアウェイはブラインドなのに、アンジュレーションがきついので、ボールがどこに行ったのかがわからないことが多々ありました。フェアウェイにあると思ったボールが、ラフまで行っていたという場面は何度もあるし、ブラインドショットでラフに打ってしまえばロスト確実ですが、グリーンを狙うショットでこうしたブラインドが多く、セカンドショット以降のロストボールも多くなります。そして、ボールを探す時間も多くなるので、プレー時間も長くなる、ということで、ちょっと面白さとフェアネスが半減、というところは実感としてあります。

このコースの謳い文句は、「世界で最もナチュラルなゴルフコース」なのですが、フェアネスを担保出来ない立地に、ちょっと無理して作った感じのあるコースです。隣にある王様・The Machがなければ、ここまで評価があり、さらにプレーヤがここまで来るかな、というのが、正直な僕の感想です。ですが、Machrihanishまで旅をしたのなら、やはりThe Machと合わせてラウンドしておくべきでしょう。The Machの引き立て役としては、完璧なコースだと思います。

No.29:Gleneagles King's Course

初プレー日: 2012年3月18日
場所: Perthshire, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆
http://www.gleneagles.com/golf/golf-courses/king's-course

2014年に欧米プロ対抗戦Ryder Cupを開催したGleneaglesにある3つのコースのうち、最初にラウンドしたのがこのKing's Courseでした。ちなみに、Ryder Cupを開催したコースは、PGA Centenary Courseでして、これは別の機会にラウンドしています。



Gleneaglesはホテルが3つのゴルフコースを所有したリゾート。海沿いにできたTurnberryに対抗して、山の中にゴルフリゾートを作るというプロジェクトによってできたもので、当初は3つではなく、King'sとQueen'sの2つのコースでスタート。そして、この両コースの設計が、巨匠・James Braidなのです。

King's Courseはその名前の通り、非常に男性的なダイナミックなレイアウトのコースです。そして、Queen's Courseはその反対で、とても滑らかで優美なレイアウト。僕の好みとしては、このGleneaglesの3つのコースでは、Queen's・King's・PGAの順。ですが、Queen'sとKing'sにはほとんど大差はなく、むしろ、同じ立地の中に、同じ設計者が、見事に対照的なコースを作ったことに驚かされるのです。



King's Courseは、その1番ホールから男性的な迫力でプレーヤを追い詰めます。距離は360y程度と距離はそうでもない1番ですが、セカンドショットはグリーン面が見えない打上げ。そして、その手前に大きく口を開けるバンカー。僕は見事にここに入れて、7のスタートだったことを覚えています。



雄大なPerthshire地域の山並みを見ながらプレーができる、素晴らしいレイアウト。もう一つのKing's Courseの特徴はティショットでのブラインドホールの多さです。コースガイドとコースを交互に見比べるホールが、本当に多い。しかも、ティショットでキャリーを要求するホールも多い。このレイアウトは、元祖飛ばし屋のBraidらしいものと言えるでしょう。ブラインドのティショットの先は、実は大きく開けたフェアウェイが待っている。そして、このコースはどちらかと言えば、グリーンが大き目。というのも、Par68ですけれど、距離が6,000y。かなり難しく、日本で言うコースレートに相当する、SSS(スタンダードスクラッチスコア。ハンデ0の人がラウンドした場合のスコアの目安)が71なのです。ビジターティからはPar5が一つもないのですが、その分、距離の長いPar4が目白押しで、ドライバーと長いアイアンがをしっかり打ってこい、というレイアウトになっています。

こんなコースですから、好き嫌いは分かれると思いますが、僕は大好きなコースの一つです。ちなみに、Gleneaglesはかつてサミットを開催したこともあります。ホテルに行くと、そのときに集まった世界各国の首脳の集合写真が飾ってあります。それを見に行くのも、一興です。

2015年1月13日火曜日

No.28:St Andrews Eden Course

初プレー日: 2012年3月11日
場所: St Andrews, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.standrews.com/Play/Courses/Eden-Course



ここを初ラウンドしたときは、午前中にJubilee Courseをラウンドし、午後からEden Courseをラウンドしました。スコットランドでは、ゴルフは基本4時間以内のゲームですから、3月になって陽の長さが十分になると、1日2ラウンドをすることができます。



Eden Courseは、Old、New、Jubileeとは違うクラブハウスになっています。案内の仕方で言えば、St Andrewsのドライビングレンジのある側、という方がわかりやすいのかも知れません。Old、New、Jubilee用のクラブハウスは、プロショップもあり、ロッカールームも大きく、レストランも大きなものがありますが、こちらはもう少し簡素な感じ。そのせいか、Eden Courseはどうもサブコース的な扱いに甘んじている雰囲気はあります。



コースもOld、New、Jubileeに比べると、やや平坦で、フェアウェイのアンジュレーションは少な目。しかも、ビジターティから5,800y強でPar70。数字から見ても、サブコース的な印象は否めないですが、ラウンドしてみたら、印象はガラッと変わります。巧みなバンカー配置と、細かいアンジュレーションの効いたグリーンに苦しめられます。それもそのはず、このEden Course、設計はあのHarry Coltなのですから。

Harry Colt設計と言えば、Muirfieldやアメリカで有名なPine Valleyだったりします。そんな高名な設計家の珠玉のリンクスを、夏のトップシーズンでもわずか£45でラウンドできるのは、ここだけです。St Andrews界隈にゴルフ旅をされるのであれば、ぜひ、Edenもそのラインアップに加えられることをお勧めします。


No.27:St Andrews Jubilee Course

初プレー日: 2012年3月11日
場所: St Andrews, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆
http://www.standrews.com/Play/Courses/Jubilee-Course



St Andrewsの砂丘エリアには5つの本格的なリンクスコースがありますが(Castle Courseは少し離れた場所にあるので除く)、Jubilee Courseはこの地に3番目にできたもの。そして、この5つのリンクスの中では、最も戦略的なコースであるとされています。



Old Course以外は特にハンデ制限もなく、オンラインでもティが取れます。オンライン枠がない場合でも、電話をすれば、意外に簡単に取れます。僕も、この2011年3月を最初に、都合、3回ラウンド。コースはOld Courseとほとんど雰囲気の変わらない、クラシックなリンクスコースですから、公式ハンデを持っていないとか、持っているけど実力的に足りない、という方でも、St Andrewsのリンクスの雰囲気を味わうことは可能です。ですが、先にも書きましたが、Jubilee Courseは実に難しく、ハンデ20前後の方でないと、楽しめないと僕は思います。



特にこのコースは、10番以降の折り返した後が、ホールも長くなり、普通なら右からの向かい風という、非常に難しい状況になります。しかも、16番と17番の2ホールは、St Andrewsのリンクスエリアの中で、最も高い砂丘の隙間を縫っていく、厳しいホールが続きます。これは16番のセカンド地点からですが、砂丘に囲まれた小さいグリーンを狙っていくホール。17番は、ティショットが砂丘の間を打って行くホールで、これまた難関。上りの3ホールがかなり難しく、前半でいいスコアを出したとしても、後半で崩れるというパターンが待ち構えています。



ちょっとコースとは関係がないことですが、僕が3回目にここをラウンドしたときは、社用の接待でしたので、お客様とOld Courseの18番ホール脇に立つ、Rusacks Hotelに泊まることができました。全英OPの中継で、大きなロレックスの時計が掛かっている建物を18番の右に見ることができますが、そのホテル。ここに泊まることができたのも、ちょっとスペシャルな経験でした。ホテルの中は、各部屋はトッププロの名前が付いていますし、至る所にゴルフの絵と写真が飾ってありました。レストランの味もとてもいいホテルですので、宿泊は無理でも、お食事だけでも価値があると思います。レストランは18番ホールを見える位置にあります。予約時に「コースビューの席」を指定してみてはいかがでしょうか。

2015年1月10日土曜日

No.26:Gullane Golf Club, No.2 Course

初プレー日: 2012年3月4日
場所: East Lothian, Scotland
また行きたい度: ☆☆☆☆☆
http://www.gullanegolfclub.com/courses/course-no-2



スコットランドには、いくつか「ゴルフの街」が存在します。一番有名なのは、St Andrewsですね。そして、西海岸のTroonもそう。そして、もう一つが、このGullaneです。このGullaneの街にコンパスの針を置くと、10マイル周囲に10個以上の珠玉のリンクスが鎮座します。



これはGoogleのStreet Viewからのものですが、ご覧のように海沿いの丘が全部ゴルフコースになっています。この丘は、Gullane GCの持つ3つのコースで覆われていまして、まさに「ゴルフの丘」。Gullane GCは、このGullaneの街の中心と言っていい存在です。No.1コースは、ビジターティの枠数がかなり少ない、クラブのチャンピオンシップコース。2015年には全英OPの前週のScottish Openを開催します。一方、No.2とNo.3はビジターにもティを開放したコースで、No.2が6,000y弱でPar70。しかし、コースは数字以上に歯応えがあり、簡単には攻略させてもらえません。



No.2という、いかにも「二番手」な印象のある名前ですが、パーフェクトなリンクスコース。このように自然の造形が織りなす、アンジュレーションの効いたフェアウェイ、グリーンを巧みに守るバンカー、そしてリンクスの砂質が生み出す、超高速グリーンが味わえます。



丘から見下ろす景色も見事。しかし、ここは海岸沿いの丘の上。強い風が、吹き抜けていきます。僕は、ここを5回くらいラウンドしたと思うのですけれど、常に風がビュービュー吹いていました。2014年12月に最後にラウンドしたリンクスコースでもありますが、そのときも風速10~15m/sの超強風。風と戯れる、いかにもスコットランドなゴルフを体験することができました。



このコースは3番ホールで街から丘の上に登り、海側に向かってプレー。そして、12番ホールで折り返して、17番のティに立つと、Gullaneの街が迎えてくれるという絶妙な設計になっています。特に冬、風強く、雨も降るような日に、この17番ティに立った瞬間、「ああ、帰ってきた。温かいスープが待っている・・・」と、心身が癒される構成になっています。

僕にとっては、ホームリンクスというべき、このGullane No.2。一クラブが持つセカンドコースでありながら、UKゴルフ誌での評価は高く、スコットランド50位。スコットランドのゴルフを、お手頃な値段(夏でも£50程度)で楽しむには持って来いのコースです。
http://www.todaysgolfer.co.uk/courses-and-2-fore-1/top-100-golf-courses/top-100-golf-courses-scotland-2013/top-100-scotland-2013-50-41/gullane-2/

2015年1月8日木曜日

No.25:Fairmont St Andrews, Kittocks Course

初プレー日: 2012年2月12日
場所: Fife, Scotland
また行きたい度: ☆☆
http://www.fairmont.com/st-andrews-scotland/golf/



もともとは、St Andrews Bay GCであったところなのですが、Fairmont Hotelがコース自体を買収し、ホテルも建設して、さらには、36Hに拡張したゴルフリゾート。そのうちの一つです。St Andrewsの市街地から、クルマで5分ほど南に走った崖の上にあるリンクスコース。こういう崖の上にあるタイプのコースは、Clifftop Linksと言って、通常の砂地にあるリンクスとは分類を分けているようです。

リンクス地域、英語でいうterrainというところは砂地の上に芝が生えていまして、そこにできているコースは非常に水はけがよいのが特徴ですが、クリフトップリンクスは必ずしも下地が砂地ではありません。ここもそうでして、僕がラウンドした日は、前日に雨が降っていたため、コース自体は非常にウェットでランがほとんど出ない状態でした。また、冬場はコースの改修、保全のシーズンでもあるのですが、ほぼすべてのバンカーから砂が抜かれて、GUR(Ground under repair、修理地)扱いになっていたのも、ちょっと残念でしたね。



コースからの景色は、同じFairmontのTorrance CourseやSt Andrews Trust(Old Coursesの管理団体)が所有するCastle Courseよりも上かなと思います。しかし、このコース、やはり新しいこともあって、近代的過ぎて難しい。事実、このFairmontの2コースは、全英OPの予選会やシニアツアーの会場になったりするのですけれど、その分、レイアウトも無理があるし、かつ、ラフがとても厳しい。ボールを曲げたらロスト覚悟でプレーする必要があります。

ここは春から初秋のトップシーズンは結構お値段高め。一方、冬は霜、雪でクローズでなければ、フルグリーン、フルフェアウェイでのプレーが確約されていますし、さらにお値段もハイシーズンの半額以下。冬場におススメのコースとは言えるかと思います。

No.24:Uphall Golf Club

初プレー日: 2012年2月6日
場所: West Lothian, Scotland
また行きたい度: 対象外
http://www.uphallgolfclub.com/



記録を整理して、実はこんな時期に初プレーをしていたとは驚いています。このコースは、2012年秋から2014年12月の出国まで、メンバーだったコースです。自宅から車で10分、職場から車で5分、というとても便利な立地にあり、自分のスコア記録を見ただけでも、80ラウンド以上プレーしています。スコアを付けずにラウンドしている日もあったので、もしかすると、この約2年間のメンバー期間に100回前後ラウンドしたかも知れません。僕が入会していた当時は、月会費が£50弱。それ以外にメンバーは全く費用が掛からない。競技に出場するときは、その競技の格に応じた参加料を支払いましたが、それもあとで「賞金」として山分けするためのもの。ちなみに、僕は2014年度の競技では、クラブの賞金ランキングで42位(メンバー数は400人強。競技参加者は200人前後)に入りました。

2012年春から、別のコースのメンバーに一度入ったのですが、そこではなかなか友人ができず、ハンデが取得できなかったこと(当時はまだ英語に自信がなく、他のメンバーさんに一緒にラウンドしてもらえるように声をかけることができなかったのです)。そして、そのコースがかなりウェットで雨に弱く、天候の不順だった2012年夏には、あるホールが完全に水没してしまうなどもあって、こちらに移ったわけです。



僕がメンバーになった年の冬、クラブは一大決心。グリーンのほぼ全てに、最新型の排水設備を入れ、さらにはフェアウェイの水のたまりやすい場所にも排水設備を入れる大改造を実施。レイアウトを維持しつつ、コースの各所に暗渠を入れて、2013年シーズンには見事なコースに生まれ変わりました。そのため、このコースはLothian地域のコースの中では珍しく、冬でも原則、フルコンディションでのプレーができました。



ここでは、多くの友人を得ることができ、特に同じ地区に住んでいた友人(彼がハンデ査定のためのマーカーになってくれました)とは、競技という競技に一緒に出場し、平日の夕方も天気が許せば、一緒にプレーし、マッチプレーを楽しんだものです。友人は、ハンデ4と5を行ったり来たり。そして、ドライバーの飛距離が270y、9番アイアンで150yを打ってくるというビッグヒッター。一方の僕は、ドライバーの飛距離が220yくらいのハンデ9。力量もそこまで離れていなくて、毎日楽しいプレーができました。そして、彼とのゴルフは僕の英語力向上に大きく役に立ちましたね。1回戦で負けてしまいましたが、彼とは2ボールのオルタネート方式のマッチプレーにも出場しました。これは、とにかく緊張する、全く別のゴルフで、本当にいい体験ができました。

スコットランドのゴルファーは、個性的なスイングをしている人が多いのですね。プロに習っている人がほとんどなはずなのに、面白いスイングをしている。このクラブには、プロの助言でドライバーを持たず2Wを持っている人、フルショットからパットまで全てクロスハンドでプレーする人など、本当に個性的な人たちが集まっていました。その中で、僕はクラブをゆっくり振ることが他のメンバーたちの目に留まったようで、彼らからは「Mr Slow」とか「Mr Smooth」と、からかわれていました。ここは、週末だけでなく、平日の仕事前、仕事後、と、とにかく天気が良ければコースに出る、という「晴打雨読」のスコットランド生活の基盤になった場所です。



コース自体は、特段、何がすごい、ということはない、ただの町のコースです。5,500yでPar69。長すぎず、難しくもないので、日々のゴルフにはちょうどよかったです。例えば、The Machのようなコースがホームコースだと、さすがに毎日の仕事前後に行くようなことは、ちょっとできません。スコットランドには、こうした「おらが町のコース」がいたるところにあり、完全に地元民のメンバーの憩いの場、そしてゴルフ研鑽の場となっているのです。

Uphallは古風なダブルグリーンもありますし、共有のフェアウェイもある。入会当初は、ここのルールがよくわからず、同伴のメンバーにいろいろ教えてもらったものです。このコースは、隅から隅まで知っている、と言いたいところなのですが、どうしてもわからなかったのがグリーンでした。平坦のように見えて、細かいアンジュレーションがあって、難しかった。



これは16番、川越えの95y・Par3。ここで、2014年夏にホールインワンも達成しました。日本と違って、一緒に回ったメンバーとハイタッチして喜んだだけ。でも、とても嬉しい記憶ですね。

ここは、またラウンドしたいコースというものではなく、今でも僕の心のホームコースです。目をつむっても、18ホールの全てが思い出せる、特別な思いの詰まったコースです。